GRANDIR KYOTO

Roots of GRANDIR
Roots of GRANDIR 京都生まれのパン屋のお話
#03
日常のパンを
焼きつづけた30年
INTERVIEW with
Fusao Kuramochi / GRANDIR Shimogamo, Kyoto
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Photo : Yoshihiro Ozaki (Darma)
Writing : Shingo Kato

1980年代の後半。
下鴨神社で有名な京都左京区の下鴨周辺は、
まだ田んぼの多い長閑な土地だったといいます。

道沿いのお店も少なく、もちろんパン屋もありません。
商売にうってつけの土地とは、お世辞にも言えないでしょう。
それでも、この場所でグランディールは誕生しました。

30年という月日を超えて、
今なお多くのお客さまに愛され続けています。
その秘密はどこにあるのか。
グランディールの社員第一号であり、
下鴨店の店長である倉持に話を聞きました。

「平成元年に、創業者に誘われてここ(グランディール )へ来たんです。私もね、ちょうど前のお店を辞めようかというタイミングでね。当時39歳でした。まだ、周りにパン屋さんが少なかった頃です。最初は3人でね。仕込みから掃除からレジから全部やってましたよ」

 

 

今でこそ客足が途絶えることがない下鴨店ですが、オープン当時はずいぶん苦戦したといいます。ネックは人通りの少なさと、値段。当時の食パンの価格帯は一斤200円前後。その中でグランディールの山型食パン「パン・オ・ルバン」は500円。その価値が伝わるまでには時間が必要でした。

「あの頃の他のお店の食パンは、仕込みで水を使うんです。でもうちは牛乳で仕込む。材料の配分から徹底的に手を抜かない。だから高い。味は大丈夫やと思いました。美味しい。なかなか売れないのは不安でしたけどね(笑)。

 

 

でも、開店して2,3年くらいかな。あるときテレビで紹介してもらったんです。美味しい食パンを見極めるにはどこを見たらいいかという特集でした。そこからですかね、(お店が)上向いて来たのは」

一度買ってくれた人が、美味しいとリピーターになってくれる。友達に紹介してくれる。この繰り返しでお店は少しずつ軌道に乗っていきます。その好循環を支えたのは、創業当時から続くグランディールの基本方針でした。

 

 

「京都の人はパンが好きですから、毎日食べられる方が多いんですよ。そういう方を、いかに常連さんにしていくかというのにずっとこだわってきました。だから売りは食パン。パン・オ・ルバン。日常のパンです」

創業から30年が経ちました。今でも、グランディールで一番売れているのはパン・オ・ルバンです。時代にニーズに応じて、様々な種類のパンが生まれましたが、このパンだけは当時からほとんど変わらないレシピで店頭に並びます。

 

 

10年、20年と通う常連さんからは「いつまでも味を変えんといてな!」と言われます。いつものパンを、いつもどおり美味しくお届けする。その絶え間ない繰り返しが、パンの激戦区と呼ばれる京都で長く続いてきた秘訣なのかもしれません。

 


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